では、「大人の定義」のまとめです。ステップ1・2・3をもとに、当サイトでは以下のように「大人」を定義してみました。
大人とは、
社会に身を置きながらより健全に生きていくことを目的として、 自律を制御する能力、良識を保有する能力、責任を遂行する能力、 これらを併せ持ち実践することのできる人物 |
をいう。
チョッとムズカしいかもしれませんね。。
少しやわらかくしてみると…
大人って、
みんなと一緒に幸せに生きていけるように、 1.自分のココロをコントロールする 2.みんなのタメになる考え方をする 3.自分のできることをやろうとする この3つともチャンとできるひと |
のこと。
「大人」を定義するとしたら、自律・良識・責任のような「要素」だけではなく、こんなふうに”社会でうまく生きていく”という「目的」もハッキリ含んでいるべきでしょう。
いかにそれぞれの能力がすばらしくても、みんなも自分もうまく生きていく、つまりみんなと幸せになれることがその先にハッキリとつながっていないと、もしかしたらそれは「大人」とはいいづらいものになっているかもしれません。
世の中には、まわりから「あの人は自分に厳しくて他人には優しい、りっぱな大人だね」と思われている方がいます。それでも実は、身近なひとに対してとても配慮が少なく、「いちばん大事な家族を不幸にしていた…」という方だったりもします。
一方で、パッと見はチャランポランでも、その心中では「みんなで幸せでいよう」とふだんから気を付けていて、結果的にまわりの人もそして自分自身もいつも満足できている、そんな方もいらっしゃいます。
いろんな「大人」のカタチがありますが、「みんなも・自分も」社会で一緒にうまく生きていけること、この目的を決してズラさずにそれぞれをがんばっていけるのが、本来の正しい「大人」のあり方なのではないでしょうか。
ちなみに、当然のことではありますが「この定義、わたしは満たしてないな・・」と変に思うことはないでしょう。(そもそもこの定義は「正解」というものではないのですから)
ふだんみんながいう「大人だね」というホメコトバをチョッと考えてみてください。本来は大人に「一歩近づいたね」という意味なのでしょうが、だいたいは「もうほとんど大人」と認めてくれているようなコトバですよね。ちなみに、この「大人だね」は「もう大人」なんでしょうか?それとも「まだ大人ではない」のでしょうか?どっちなんでしょう?
答えはきっと「大人」でいいんだと思います。なぜなら、「大人だね」とホメられたそのココロや行動自体が、きっと自律や良識、責任を含んでいたはずだからです。
大事なことは、「大人」とは資格とか役職のような「なっちゃえばOK!もうわたし大人!」というものではなくて、「ふだんの行動一つ一つに大人かどうかがある」ということです。そういう意味では、(精神的に)大人に「なった・なってない」ということにこだわってしまうこと自体が、少しムチャな考え方だったりするともいえると思います。
こんなふうに、もしどこかで「大人」を間違えてしまったとしても、それで「わたしは大人じゃないんだ」とガッカリする必要はありません。「次は大人でいよう」というココロを保ててさえいれば大丈夫です。きっとその行動が自然と「自律・良識・責任」を含むはずです。
ひょっとしたら、自分ではなかなか「大人」の手ごたえを感じないかもしれません。しかし、きっと一歩一歩確実に、さらなるりっぱな「大人」に近づいているはずです。大人の階段をのぼろうとすること自体がもう大人なんです。決して「まだ大人じゃない」と焦らずに、「よし、もっとりっぱな大人になろう!」と一つ一つ大人を楽しんでみてください。
<さいごに>
当サイト「大人の心得」第一巻から第三巻では、大人の要素として分類した「自律・良識・責任」を、それぞれの巻題としてご紹介します。つまり、探ってみた「大人とは」の調査結果や「大人のキーワード」を、そのまま巻にとりまとめています。ぜひ併せてご高覧くださいませ。