|ステップ2 -「大人の要素」を探ってみました -

 

 ステップ1でまとめた15コの「大人のキーワード」を、またある程度大きく分類してみました。すると、「大人の要素」といっても良さそうな、以下の3つのポイントが見えてきました。

 

●15の「大人のキーワード」から3つの「大人の要素」へ

  「大人のキーワード」 「大人の要素」
1 自分を抑えられる

自分の心の

 コントロールができる

   (「自律」を制御する力)

2 自分を満たせられる
3 自分を強くできる
4 健全な道徳がわかる 社会にとって
 健全な考え方がわかる

   (「良識」を保有する力)

5 健全な不徳もわかる 
6 健全な配慮がわかる 
7 健全な分別がわかる 
8 健全な教養がわかる 
9 健全な知力がわかる
10 いろんな洞察ができる

自分の役割を
 果たそうと行動できる

   (「責任」を遂行する力)

11 いろんな考慮ができる
12 いろんな評価ができる 
13 いろんな表現ができる 
14 いろんな保全ができる 
15 いろんな先導ができる

 

 

●「責任」を遂行する力って?

 「大人」についていろいろ探っていくと、「責任」というコトバがたくさんみつかりました。しかし、「責任」といってもいろんな意味があります。なにかの失敗の責めを負うときも「責任」といいますし、自分の仕事をやりとげようとすることだって「責任」といいます。ここで3つに分類した「自律」や「良識」だって、結局は大人の「責任」の一つかもしれません。

 

 そんな中、たくさんみつかった「責任」というコトバには、共通してある要素がくっついていました。それは、洞察や考慮など「誰か・何かのために」自分にできることを考える、というものや、表現や保全など「誰か・何かのために」自分のできることをしようとする、というものです。

 

 これらは、「自律を制御する能力」や「良識を保有する能力」のような、自分に対するアクションとはまた別の、「責任を遂行する能力」という、誰かに・何かに対する、大人にとって大事なひとつのアクションの種類なのではないかと思います。

 

 誰か・何かのために、自分にできることを考え行う。つまり、自分の役割を果たそうと行動できること。当サイトでは、大人の大事な要素として、こんな「責任を遂行する力」をあげてみました。

 

 

●「大人」ってだいたいこういうことかもしれません。

 3つに分類した「大人の要素」は、それぞれ自体が大人をカタチづくるとても大事なテーマです。

 

 これは15の「大人のキーワード」でも同じことがいえると思いますが、3つの要素のうち、もしどれかたった一つでも「全くできないひと」だったら…どうでしょうか。「大人」とは少しいいづらくなるのではないでしょうか。自律や良識がなければ「まだ幼い」と思われるでしょうし、責任を全うする力がなければ、きっと「まだ甘い」と言われることでしょう。 

 

 あくまでこれら3つの要素を共に満たそうと意識・行動できることで、はじめて「大人」といえるのかもしれません。「自律」+「良識」+「責任」=「大人」。大人って、だいたいこういうことかもしれません。

 


 

 こんなふうに、15の「大人のキーワード」をさらに大きく3つに分類してみると、大人の定義の源のようなものが浮かび上がってきました。これでなんとか、「大人の定義」をまとめることができるかもしれません。